日本の行事の中でも古くから伝わっている節分の豆まきの由来。
そもそも節分とは、日本の四季の変わり目である『立春・立夏・立秋・立冬』の前日を指します。
昔の人々にとってつらい冬を越えて春を迎える立春は、新年を迎えることと同じくらい大切だったのでしょう。
室町時代あたりから節分は立春の前日だけを指すようになり、庶民の間に定着していきました。
ここではそんな節分の豆まきの由来と食べる意味についての疑問に答えていきます。
出典 http://sk-imedia.com/naritafudouson-4569.html
節分に豆をまくのはなぜ?
節分になると『鬼は外!福は内!』の掛け声と共に豆をまく風景が当たり前のように見られますよね。
でも『なぜ豆をまくの?』と聞かれた時、結構知らない人が多いのではないでしょうか?
豆まきの由来は?
節分に豆をまく理由を調べてみるといくつかの説がありました。
ひとつは中国の習俗として、豆は『魔滅=魔を滅する』に例えられ邪気を払うものとして日本に伝えられました。
また日本では、むかし京都の鞍馬に鬼が出たときに毘沙門天のお告げが故事伝説として残っています。
お告げは『魔の目(まめ)=鬼の目に豆を投げつけて退治せよ』ということでした。
魔の目に豆を投げつけて魔を滅する・・・言葉をうまくかけているんですね。
鬼という存在について
鬼と書いて『おに』と呼ぶこの恐ろしい存在は『穏(おぬ)』や『陰(おん)』から来ています。
どちらも陰のもの、隠れているものとして人の想像力を超えた恐怖、すなわち病や災害や飢饉などに例えられました。
これら姿形の見えないものをあえて鬼というものに具体化し、豆を投げつけて追い払い、邪気を払おうとしたのです。
こうして節分には鬼に豆をまき、今年1年の健康を祈願するということが今日では定着しているというわけです。
また鬼の姿についてですが、角があって虎の皮のふんどしを着けているイメージには、ちゃんとした理由があります。
十二支の中の丑(うし)は陰陽でも陰となっていて、更に鬼の住む鬼門に当たる丑寅の方角と言われています。
鬼の角は丑(牛)から、虎柄のふんどしは寅(虎)から来ていてよく知っているいわゆる鬼の姿となっているのです。
何気なく普通に見聞きしているものにも、いろいろな理由があるというわけですね。
節分に豆を食べるのはなぜ?
豆は五穀のひとつで生命力と魔除けの力があり、穀霊が宿されていると考えられて米に次いで神事に用いられていました。
節分に豆をまく時に気を付けなければならないことは、必ず炒った豆を使うということ。
生の豆をまいて拾い忘れた豆から芽が出てしまうと縁起が悪いということと、炒る=射るという意味でもあるからです。
現在では市販で売られている節分豆は、炒ったものが売られています。
その豆を投げて鬼である邪気を封じ込め、食べてしまうということで鬼を退治したということにもなるのです。
また邪気を払った豆は『福豆』とも呼ばれて、身体の中に取り入れることで無病息災を願うことにもつながります。
節分には『福豆』を!残った炒り豆は、ご飯と一緒に炊いて食べても香ばしくて美味しいですよ!
年の数だけ豆を食べるのはまちがい?!
出典 http://www.happy-note.com/research/10590.html次に豆を食べる時によく聞く『年の数だけ食べる』ということについてです。
よく疑問になるのが『年の数っていくつのことなの?』ということです。素直に考えると今現在の年齢ということになります。
けれども節分豆を食べる時に関しては『数え年』という言葉を使われることがあります。
数え年とは?
聞いたことがあるけれどよく知らないという人も多いのではないでしょうか?
数え年とは生まれた時点で1歳とし、新年(1月1日)を迎えるごとに1歳ずつ年齢が増えていくという考え方です。
例えば12月31日に生まれた場合、その時点で1歳。翌日の1月1日には2歳になる・・・ということです。
つまり今の年齢に対してプラス2歳した数が、数え年となるわけです。
年の数とは満年齢?数え年?
どちらが正しいのかといえば、どちらでもOKなのです。節分豆を食べるという本来の意味は、福を身体に取り入れること。
満年齢の数の豆を食べるも良し。未来も健康であるようにと願って満年齢に1個プラスで食べるのも有りなのです。
数え年で食べるということについては、豆まきの風習が始まったころの日本が、数え年で年齢を表していたからでしょう。
どの方法で食べるにしても、それぞれの人の思いや願いを込めることがいちばん大事なのです。
節分豆のまき方あれこれ
出典 http://matome.naver.jp/odai/2139125961080219701/2139126582684417503豆まきの正しい作法というものがあることをご存知ですか?まず豆は炒ったものを節分の前日に神棚にお供えします。
それを家の奥の部屋から玄関に向かって順番にまいていきます。『鬼は外』と言いながら窓の外に向かって豆をまき、窓を閉めてから『福は内』と言って部屋に豆をまきます。
また鬼がやってくるのは夜と考えられていたので、夜に豆まきをするようになっています。
豆まきをする人というのも、元々は家長である父親もしくは年男とされていました。
しかし現代では父親が鬼の面をかぶって、子供たちが喜んで豆をまく姿も多く見られます。
楽しみながら昔からの季節の行事を家族でするという意味では、そんな変化もあっていいのではないでしょうか。
日本の昔話に度々登場する鬼。古来より日本人は家内安全、無病息災、五穀豊穣などを願ってきました。
そのひとつが節分の豆まきなのではないでしょうか。
今度の節分も、今年1年の家族の健康を祈りながら楽しく豆まきをし、年の数の豆を食べてくださいね。