2022年の今年の節分の日は2月3日ですが、本当は毎年2月3日とは決まっていないことをご存知でしたか?
実は、年によっては2月2日になることや、2月4日になることもあるのです。
1985年から30年間もの間2月3日が節分だったので、そう思いこんでしまっている人が多いようです。
では、2022年の節分の日がいつか、恵方巻きの食べる方角はどっちなのか、説明させていただきますね。
2022年節分の日、本来の意味は?
本来の意味は「雑節」のひとつです。「雑節」は、季節の移り変わりをしっかりつかむためにもうけられた、特別な暦の日なのです。
節分は、季節のはじまりの日の1日前のことをいいます。「季節を分ける」という意味があるのですよ。
【図1】
季節のはじまりの日は、“立春・立夏・立秋・立冬”があります。
節分は年に4回ですが、江戸時代くらいから、特に立春の前日となりました。昔は、冬から春に季節が変わる節目を1年のはじまりと考えていたからです。
2022節分の日はどうやって決められるの?
24節気
年4回の節分と、節分と節分の間に6つずつの節気があります。
1年365日を24個の季節であらわしているもので、24節気といわれています。
この24節気は、太陽年を日数または太陽の黄道上の位置で24等分し、冬至や秋分、夏至、春分などの季節をあらわす名前をつけたものです。
太陽年
太陽年というのは、太陽が黄道上の分点(春分と秋分)と至点(夏至と冬至)から出発して、また元の点に戻ってくるまでの周期のことです。
黄道は、地球を中心にして考えたときの太陽の通り道です。
地球を中心にして考えると、太陽は約1年で一周します。
地球の地軸は傾いていますね。地球を中心として見ているので、黄道が傾いて見えますね。
この傾きで、日本では「春夏秋冬」の四季ができるのです。
太陽暦
太陽年をもとにして作られた暦が太陽暦です。現在ではグレゴリオ暦というものが世界各国で使われています。
太陽暦では約4年に1回、余分な日が入れられます。この年を閏年(うるうどし)といいます。
これは、1太陽年の長さが毎年少しずつずれるのを補正するためです。365日を24等分すると割り切れないからですね。
この閏年(うるうどし)を入れて調整する暦を、「太陰太陽暦」といいます。
節分の日の決まりかた
節分は立春の一日前の日のことで、太陽の光経が315度となる日が立春になります。
天体の運行をもとにしているので、日付は年によって違ってくるのです。
グレゴリオ暦をもとにして日本の節分をあらわした表です。
4年に一度の閏年(うるうどし)で季節のずれを調整するので、4で割って1余る年が先頭の日になります。
2015年は、表の『2985年-2024年』の部分にあたりますね。こうして、節分の日がいつなのか決められるのです。
理科の勉強のようになってしまいましたね。
でもこれを機会に、「節分は2月3日って決まってる」という誤った認識をあらためて、日本の年中行事と天体の関係を勉強してみるのも面白いかもしれませんよ。
2022年の恵方巻を食べる方向は!
この時期すぐに思いうかぶのは豆まきですが、「恵方巻」も現在ではしっかり風物詩となっています。
2022年の方角は北北西やや北!
『北北西やや北』の“やや”ってどのくらい?と思いますよね。
ふだんは東西南北という4方位を使って方角を示します。方角の示しかたには他に、8方位、12方位、16方位、24方位、32方位とたくさんあります。
恵方は、24方位を使ってあらわされています。24方位であらわされる恵方を、16方位や32方位であらわそうとするとズレるのです。
そのズレがあるため“やや右”という表現になります。
恵方巻きを食べる方角の決めかた
恵方は陰陽道で、その年の干支をもとにめでたい方角と定められた方角のことです。
年の福徳をつかさどる『歳徳神(としとくじん)』のいる方角です。
恵方巻きを食べる方角は毎年変わりますよね。そのため、ややこしく思っている人が多いことでしょう。
でも、恵方は4つしかないということを覚えておきましょう。
① 東北東やや右
② 西南西やや右
③ 南南東やや右
④ 北北西やや右
この4つの方角の中で、今年の恵方を決めるのが干支(えと)の十干(じっかん)なのです。
干支(えと)と聞けば『子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥』の十二支を思い浮かべますよね。2015年の干支は『未(ひつじ)』です。
十干(じっかん)にも、今年の干支(えと)が割り当てられています。
西暦の一桁で十干(じっかん)はきまるので、今年の干支(えと)がわかれば恵方がわかります。
甲:4
乙:5
丙:6
丁:7
戊:8
己:9
庚:0
辛:1
壬:2
癸:3
2022年は、『乙』なので『西南西やや右』が恵方巻きを食べる方角になるのです。
今回は難しい話になってしまいました。
2022年の節分の日まとめ
天体や方位に関心や興味がなかったかたにとっては、特に難しく感じられたかもしれません。
でも、節分を祝う風習があるのは日本だけなのです。
昔から行われてきた、日本の良き風習・伝統を正しく知り、若い世代のかたや子どもたちに正しく伝えていきたいものです。