日本人が愛する花のひとつである桜は、私たちにとって特別な存在です。
春の風物詩であるお花見では、満開の桜の下で短い期間の美しさを愛でるために人々は集い楽しみます。
桜の花が咲き乱れる豪華さと、散り際の潔さが人々の心を惹きつけるのではないでしょうか。
古来より桜を詠んだ歌がたくさんあるように、日本人の心の花とも言える桜ですが、花言葉は案外知られていないようです。
ここでは桜の花言葉について、種類別に由来などを調べてみました。
出典 http://acestrategy.jp/event/4910.html
桜の花言葉について
まずは品種を問わず
桜の花言葉は『優美な女性』『精神の美』『淡泊』となっています。
桜の華やかな時は短くて潔く散ってゆく様は、はかなさの中に清らかで美しい魂を感じます。まさしくそれらを表現した花ということから、このような花言葉となっているのでしょう。
代表的な桜4種の花言葉をご紹介
ひと言で桜と言っても種類はたくさんあります。自生種の山桜系や一重の里桜の染井吉野系、里桜の八重桜系などなど。
その中でも馴染みのある桜の花言葉をご紹介しましょう。
染井吉野(ソメイヨシノ)
日本の中で(沖縄と北海道以外)約80%を占めているとてもポピュラーな品種です。
花言葉は、『純潔』『優れた美人』桜の代表にふさわしい花言葉ですよね。
木の寿命が約80年で、花の盛りが樹齢15年~50年の間ということから人の一生にも例えられています。
ちなみに染井吉野という名前になったのは、明治33年から。江戸末期に染井村(東京都豊島区駒込あたり)の植木職人が品種改良し作られました。
当初は奈良県吉野山の桜にちなんで「吉野桜」と呼んでいましたが、実際の吉野山の品種は山桜系だったため、区別する意味で「染井吉野」となりました。
枝垂れ桜(シダレザクラ)
別名『糸桜(イトザクラ)』は、樹齢の高いものはとても豪華で息をのむ美しさです。
桜の名所として選ばれることも多く、夜に浮かび上がる枝垂れ桜の姿は妖艶な雰囲気を感じます。
花言葉は『優美』『ごまかし』です。
垂れ下がる枝で、自身の幹を隠してしまう姿から来ているのかもしれません。
八重桜(ヤエザクラ)
幾重にも重なる花びらは八重咲と呼ばれ、その姿は豪華さの中にも凛とした上品さを感じます。
花言葉は『豊かな教養』『しとやか』『良い教育』です。
八重桜が教養や教育といった花言葉になったのには理由がいくつかあります。
ひとつはアメリカの初代大統領、ジョージワシントンが子供の頃の逸話から。彼は父親の大事な桜の木を切ってしまいました。
しかしそのことを正直に告白したことで、正直さをほめられ「嘘をついてはいけない」という教えを八重桜の花言葉にしたということです。
また開花時期がほかの桜に比べて遅いため、学校に植えられることも多く、教育につながる花言葉になったという説もあります。
寒桜(カンザクラ)
寒桜にも種類かあり、有名なものが沖縄を代表する濃いピンクの緋寒桜(ヒカンザクラ)または寒緋桜(カンヒザクラ)。
花言葉は『気まぐれ』『あなたに微笑む』です。
1月中頃より咲き始める早咲きタイプです。
寒さでまだまだ凍える時期に可憐に咲く姿は、まるで微笑んでいるように見えるのかもしれませんね。
『私を忘れないで』という桜の花言葉について
日本では桜の花の華やかさと散りゆく潔さは、『優美』や『精神の美』という花言葉で表しています。
しかし国が変わってフランスでは、桜のはかなさやせつなさから『Ne m’oubliez pas(私を忘れないで)』という花言葉で表しています。
別れを選んだ恋人のせつない心を表して生まれたとも言われるこの花言葉。フランスらしいロマンティックな花言葉ですよね。
桜が日本人の心の中にあるのは、新しい生活が始まる入学のシーンや卒業という旅立ちのシーンの象徴的な存在だからかもしれません。
桜の花言葉を感じながら満開の桜の下を歩けば、また違った気分を味わえるかもしれませんね。