ロタウイルスがやっかいなのは、一般的な除菌方法が効かないところです。石けんで手を洗ってもウイルスを死滅させる効果はありませんし、消毒法として一般的なアルコールによる消毒も、まったく効果がありません。
そうすると、ロタウイルスの消毒方法はどのようにするのでしょうか?
出典 https://www.photolibrary.jp/mhd7/img119/s-2009051613274035153.jpg
ロタウイルスに有効な成分とは?
ロタウイルスに一番有効なのは、「次亜塩素酸ナトリウム」とよばれる漂白剤です。あまり聞き慣れないものですが、家庭用の漂白剤などが、それにあたります。
スーパーなどに売ってあるキッチン用の「ハイター」や「ブリーチ」などが、それにあたります。洗濯用の「ワイドハイター」などは成分が違ってくるので、使用しないでください。
非常に強力な作用を持つため、皮膚につけたり、鼻に吸い込んではいけません。また、金属につくと、あっという間にさびたり、家具の色落ちの原因となりますので注意が必要です。
拭き掃除の方法
拭き掃除の際には、5リットルの水に20mlキャップ1杯程度の漂白剤を加えます。排泄物や嘔吐物の処理のときには、500mlのペットボトルにキャップ2杯の漂白剤と水を入れて、0.1%の濃度まで薄めます。
注意しなければいけないのは、「手袋を必ず着用すること」、「換気をしながら作業すること」、「酸性の他の漂白剤とは混ぜないこと」、の3点です。
薬局では、ウイルスに効く消毒剤として、大塚製薬の「クレベリン」というもの販売されています。
アルコールが効かない理由
アルコールによる消毒は、「エンベロープ」というものを持つウイルスにのみ有効です。エンベロープとは、ウイルスの細胞を守る殻のようなものです。
インフルエンザウイルスなどは、このエンベロープを持っており、石けんやアルコールでこれを溶かすことができ、ウイルス自体を破壊することができます。
しかしロタウイルスは、そもそもこのエンベロープを持っていないために、アルコールが効かないのです。
衣類の洗濯方法は?
嘔吐物や下痢便などで汚れた衣類は、大きな感染源となります。そのまま、洗濯機でほかの衣類と一緒に洗ってはいけません。洗濯槽の中にもウイルスが付着し、また別の衣類にもウイルスが付着してしまいます。
汚染された衣類は、マスクと手袋を使用したうえで、バケツや、たらいなどで、まず水洗いをします。そして、塩素系消毒剤(200ppm以上)でさらにロタウィルスを消毒します。
ロタウイルスはとても感染力が強いです。家庭内での感染をふせぐためにも、徹底したロタウィルスの消毒が必要です。そして、感染の拡大を防ぎましょう。