ノロウイルスはとても感染力が強く、幼稚園・保育園や学校、職場や家庭内などで感染がひろがりやすいので、しっかりとした消毒や対策が必要になります。
ですが、ノロウイルスは一般的な消毒方法であるアルコール消毒の効果がないため、専用の消毒液が必要になります。
ノロウイルスに対処できる消毒液の作り方を中心に、お話ししますね。
出典 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/tamafuchu/kouhou/mini_jou/mini_2010_2.images/2010_2_2.gif
ノロウイルス消毒液の作り方
ノロウイルスの消毒液を作るには、「次亜塩素酸ナトリウム」を使用します。
ききなれない言葉ですが、よく台所にある家庭用漂白剤の「キッチンハイター」や「ブリーチ」が、それにあたります。洗濯用の「ワイドハイター」などは成分が違ってくるので、使用しないでください。
つぎに消毒液の作り方を説明します。500mlのペットボトルを利用して、それを0.02%に薄めます。
使用する漂白剤の裏に、次亜塩素酸ナトリウムが何%入っているのか書いてありますので、それを目安にしてつくりましょう。その数字を50倍薄めます。
たとえば、1%の次亜塩素酸ナトリウムが入っている場合、原液10mlに対し、水500mlで薄めるのです。
これで、衣服やドアノブ、食器などを消毒します。
便や嘔吐物などの処理の際には、0.1%に薄めます。1%の次亜塩素酸ナトリウムが入っている場合、原液50mlに対して、水500mlで薄めて使います。
なお、ペットボトルのフタ1杯は5mlです。
アルコールが効かない理由
アルコールによる消毒は、「エンベロープ」というものを持つウイルスにのみ有効です。エンベロープとは、ウイルスの細胞を守る殻のようなものです。
インフルエンザウイルスは、このエンベロープを石けんやアルコールで溶し、ウイルス自体を破壊することができます。
しかしノロウイルスは、そもそもこのエンベロープを持っていないために、アルコールが効かないのです。
正しい殺菌方法
ノロウイルスの殺菌方法には、前に説明した次亜塩素酸ナトリウムをつかう方法と、加熱処理の2種類があります。
調理器具などは洗剤などを使用し十分に洗浄した後、塩素濃度200ppm以上の次亜塩素酸ナトリウムで浸すように拭くことで、ウイルスを殺菌できます。
まな板、包丁、へら、食器、ふきん、タオルなどは、85℃以上の熱湯で1分以上加熱して殺菌します。
手指はどうするの?
手指を消毒するときにも、いつもと同じように石けんによる「もみ洗い」が有効です。
石けん自体にはノロウイルスを直接死滅させる効果はありません。でも、手の脂肪などの汚れを落とすことにより、ウイルスを手指から剥がれやすくする効果があるのです。
ノロウイルスはとても微細な生き物なので、細かいシワの間や爪の間などに入り込んでしまいます。
指先や爪の間、手首まで入念にしっかりとこすり洗いをし、その後にしっかりと水ですすぎます。
目安でいうと、だいたい石けんによるこすり洗いが10秒、水でのすすぎ洗いが15秒といったところでしょう。
一般的なアルコール消毒が効かないノロウィルス。しかし、実はさまざまな対処方法があるのです。今年はしっかり除菌して防いでいきましょう。