インフルエンザ脳症の症状や後遺症は成人と子供で違う?

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2022のインフルエンザは大流行するのではと危惧されていますね。一般的に日本のインフルエンザ流行期は3月までですが、2022は長引くのではないかという予想もあります。

インフルエンザは重症化すると全身の合併症を起こします。特に気をつけたいのは、「インフルエンザ脳症」です。

インフルエンザにかかった時のもっとも重い合併症である、インフルエンザ脳症の症状・後遺症などについて解説していきます。

目次
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インフルエンザ脳症ってどんな病気なの?

インフルエンザ脳症とは、インフルエンザをきっかけにして起こった脳症ということです。

他のウィルスの感染(突発性発疹・胃腸カゼなど)でも同じように脳症が起こることがありますが、インフルエンザの時にもっとも起きやすいために、インフルエンザ脳症とよばれているのです。

【1】インフルエンザ脳症の特徴

1.インフルエンザの流行規模が大きいほどインフルエンザ脳症が多発する。(特にA香港型が流行した時)

2.6歳以下の小さな子供に発症することが多く、インフルエンザの発熱から神経症状が出るまで数時間~1日と期間が短い。

3.けいれん、意味不明な言動、急激に進行する意識障害が症状の中心。

4.死亡率は約30%、後遺症はインフルエンザ脳症にかかった子供の25%に見られるほど重い病気である。

5.日本での発症例が多く、欧米での報告は非常に少ない。

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インフルエンザ脳症の症状

インフルエンザ脳症でよく見られる症状は、けいれん・意識障害・異常行動です。

インフルエンザ脳症では熱が上がってからすぐに症状が出ることが多く、けいれん・意識障害・異常行動がでた時は脳症の可能性が高いということです。

けいれん・意識障害・異常行動はどのようなものかをまとめました。

【1】けいれん

けいれんは筋肉のこわばりやガクガクとした動きのことです。1分くらいの短いものから20分以上続くような長いものまであります。

回数も、1回だけのこともあれば何回も繰り返すこともあるなど様々です。

【2】意識障害

意識障害というのは、眠ったようになってしまって、呼びかけても、痛みで刺激しても目がさめないような状態のことです。

軽い場合は、なんとなくボーっとしている、またはウトウトするような状態のこともあります。

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【3】異常行動

異常行動とは、ふだんとは全然ちがうおかしなことを言ったり、おかしな行動をしたりするものです。

「動物やアニメのキャラクターがやってくる」などという幻視や幻覚を中心にした言葉や行動です。

お母さんがすぐそばにいるのに探し回ったり、まったく意味不明の言葉を話したり、理由もないのにとてもおびえたりとうこともあります。

ひどいときは、自分の手を食べ物と勘ちがいしてかじることもあります。

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インフルエンザ脳症の後遺症

子供がインフルエンザ脳症にかかった場合、インフルエンザ脳症にかかった子供の約半数が亡くなったり、後遺症が残るなどしています。

後遺症は軽い場合もありますが、寝たきりになるほど重い場合もありさまざまです。

後遺症としては、知能低下、運動麻痺、てんかん、嚥下障害(えんげしょうがい/食物や水の飲みこみの障害)などです。

後遺症が残った場合、どのような障害に対してもリハビリテーションが行われます。

特に注意が必要な後遺症「てんかん」

インフルエンザ脳症になってから1年以内に起きてくることが多い後遺症です。

てんかんは発作を予防することが難しい場合が多く、定期的に脳波検査を受けることができればいいのですが、なかなかそうもいきません。

お子さんのようすを注意深く観察して、「いつもと違う動作」があったり「意識がなくなる様子が繰り返される」など、「なんだかおかしい!」と感じることがあったらすぐに医師に相談してください。

てんかんは、早い時期から治療を始めることが大切なのです。

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インフルエンザ脳症は大人にも発症する

インフルエンザ脳症は6歳以下のお子さんに発症することが多いと書きましたが、最近ではインフルエンザ脳症が大人にも発症していることが多く報告されています。

2015年1月になってからも、病院で患者と職員のインフルエンザ集団感染があり、成人男性1人がインフルエンザ脳症で死亡したことが報道されていましたね。

症状は子供の場合とほぼ変わりなく、急性期に意識障害やけいれんが起こります。

その後、恐怖・情動障害、幻視、興奮、多弁などの症状が出る場合があります。

インフルエンザ脳症は子供の病気と決めつけず、大人もインフルエンザにかかったときは注意が必要です。

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インフルエンザ脳症の患者数や死亡率の調査

インフルエンザ脳炎・脳症について、厚生労働省のインフルエンザ脳症研究班が全国調査を行い状況の把握につとめています。

インフルエンザ流行規模が大きい年には、インフルエンザ脳症の患者数や死亡率が大きい傾向にあることが報告されています。

厚生労働省・インフルエンザ脳症研究班が公表しているデータの一部を紹介します。

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インフルエンザ脳症の日本における状況の推定

1.1年に100~300人の子供がインフルエンザ脳症にかかる。

2.A香港型が流行した時に多発する。

3.死亡率は約30%であったが、厚生労働省・インフルエンザ研究班が調査・解析し、医師など医療従事者の努力で、ここ数年は15%に減少した。

※厚生労働省・インフルエンザ脳症研究班が調査した、日本でのインフルエンザの流行と脳炎・脳症の発生についての表です。

97/9898/9999/0000/0101/02
患者数不明2029163227
死亡者数約1006127933
死亡率不明31%30%14%15%

インフルエンザ脳症まとめ

インフルエンザ脳症の症状や後遺症、また日本での状況について解説してきました。

これは、厚生労働省・インフルエンザ脳症研究班が公表している「インフルエンザ脳症」の手引き、厚生労働省が公表しているインフルエンザ脳症ガイドラインを参考にしています。

「インフルエンザ脳症」の手引きは、医療従事者ではない、一般の方たちにもわかりやすく説明されています。

インターネットで閲覧、ダウンロードができますので、ぜひ読んでください。

  • 「インフルエンザ脳症」の手引きが紹介されているホームページのURLはこちらです。
  • インフルエンザ脳症についてのページはこちらです。
  • 「インフルエンザ脳症」の手引きPDFがダウンロードできるURLはこちらです。
  • さらに詳しく知りたいかたは、厚生労働省のインフルエンザ脳症ガイドラインを読んでください。URLはこちらです。

インフルエンザが流行するこの時期、インフルエンザの感染や、重症化した時のインフルエンザ脳症を心配されている人は多いことでしょう。

でも、やみくもに心配したり不安に思うのではなく、症状や状況などをしっかり把握して、冷静に対処していきましょう。

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