お盆には先祖代々の霊が帰ってくるとされており、迎える家族は墓参りや供え物をして供養します。なかでも初盆は、亡くなった故人の初めての里帰りなので丁寧におこないますが、風習や形式などなにかと分からないもの。
そこでこれだけ知っていれば大丈夫!という初盆のキホンをおさえておきましょう。
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お盆とは
そもそもお盆とは、7月15日又は8月15日前後に先祖の霊を祀る仏教行事です。その由来は遠い昔、お釈迦様の弟子の一人が、自分の母親が極楽浄土へ行けずに苦しんでいることを知り、お釈迦様の教え通りに、7月15日に食べ物やお供え物で供養したところ、母親が成仏できた言い伝えにあります。
日本では推古天皇が606年、初めてお盆の行事を営んだとされています。
初盆とは
故人の死後、最初に迎える盆を初盆又は新盆と呼び、その家族が初めて迎える仏を丁寧に供養する習わしです。仏壇には花や果物などのお供え物をし、仏が迷わずに里帰りできるように、仏壇には提灯を飾って明るくします。
親族だけでなく、生前にお世話になった方々を招き、僧侶にお経をあげてもらい、その後、参列者を会食又はお茶菓子でもてなすのが一般的です。
なお僧侶もお盆は忙しい時期なので、1ヶ月以上前からお寺と相談し、初盆の日取りを決めておくとよいでしょう。
お布施の相場
初盆には僧侶にお経をあげてもらいますが、お布施は1~2万円程度が相場で、これにお車代として3千~5千円程度が加わります。
地域やご家庭の事情、お寺との付き合い方によっても違ってくるため、いくら包むかの判断は難しいですが、お布施は先祖の供養と菩提寺への感謝の気持ちを表すものなので、ご家庭でよく相談しましょう。
僧侶にズバリお布施代を聞きたくなるところですが、明確な答えはないため、謝礼の気持ちを意識して決めればよいと思います。
表書き書き方
初盆には故人を偲び、供養の気持ちを表すため、花や果物など仏前に供え物をします。なかでも提灯は昔から最高の供え物として知られていますが、今は住宅事情もありかさばる提灯ではなく、御供物料として現金を送ることが一般的です。
香典袋(不祝儀袋)は表書きに「御佛前」「御仏前」又は「御供物料」「御提灯代」とあるもの選び、下段には自分の名前をフルネームで書きます。夫婦ならば夫の氏名だけでもいいですが、特に故人と縁が深かった場合は連名にしましょう。
中央の水引は白黒で「繰り返しのないように」「今回だけで終わる」という意味の「結び切り」を選びます。
なお、止むを得ない理由で初盆に出席できない場合、郵送で御供物料を贈ってもいいですが、必ず現金書留で送り、お詫びの手紙を添えて失礼のないようにしましょう。
初盆のおこない方はもちろん、宗派や地域性、ご家庭の考え方によっても違ってきます。
ただし家族や友人が集まり、故人を偲びながら、今ある自分の命や人々との縁や関係をかえりみることがお盆の大切なメッセージであることを忘れないでいたいものです。