桜の季節が過ぎた頃に咲き始める芝桜。日本のあちらこちらに芝桜の有名な公園があります。広い敷地に芝のようにびっしりと満開に咲く光景は、まるで色とりどりに敷いた絨毯のようです。
芝桜は花が終わった後も芝生として楽しめますし、多年草なのでガーデニングにもぴったりです。
この記事では芝桜の育て方と増やし方についてご紹介します。
芝桜の育て方
芝桜の育て方のポイントをお伝えします。
芝桜を育てる場所
芝桜は、水はけの良い場所ややや乾燥気味の土を好みます。これらの性質からグラウンドカバーに利用されたりします。
しかし芝生のように踏みつけられるとダメになってしまうので、石垣や花壇が適しています。
芝桜の苗の選び方
鉢全体を花が覆っているポットを選びましょう。
花付が良いもの=根腐れしていないものです。時期は3月~10月に購入しましょう。
芝桜は乾燥と寒さにとても強いタイプですが、日当たりが悪いと花の咲き具合も良くなく、茎もヒョロヒョロと間延びした感じになってしまいます。
水はけが良くて、日当たりの良い風通しがある場所が環境条件となるため、土手の斜面や石垣などに多く植えられています。
芝桜の水やりについて
芝桜は水の与え方には注意しなければ根腐れの原因を作ってしまいます。
乾燥を好む=多湿は苦手ということです。また寒さに強いですが高温には弱いです。
これらの条件から高温多湿である夏場の水やりは、必ず早朝か陽が沈んだ夕方にするようにしましょう。冬場は水のやりすぎに気を付けて!
芝桜の土と植え付け
土について
芝桜は水はけの良いやや乾燥気味の土を好むみます。
赤玉土6:腐葉土2:川砂2を混ぜたものか、市販の『花と野菜の土』に川砂を2割ほど混ぜたものがおすすめ。
水はけの良い土にしておくことで、開花期以外の時期は雨ざらしでも大丈夫です。

植え付け方
春(3月~5月)か秋(9月下旬~10月)が植え付け時期ですが、初心者の方は水管理のしやすい秋植えがおススメです。
芝桜を美しく咲かせるポイントは根っこをしっかり伸ばし育てることですから、植える時に根っこをよくほぐすことで、根の広がりを良くします。
生え広がることをイメージして植え付けの時は、株の間隔を20~30センチほど開けましょう。
植え付け後にはたっぷりと水をあげます。根が付くまで(2~3週間)は、乾燥に気を付けて、土の表面が乾いていたら水やりをしましょう。
芝桜の肥料や病害虫対策
肥料について
花壇など広い場所に植える場合
芝桜を植え付ける前に1㎡あたりひとにぎり程度の化学肥料(市販品のもの。店員さんに聞いてみよう。)を施します。また開花期後の初夏頃には疲労回復の意味から、薄めた液体肥料を1週間おきに2~3回程度少量与えましょう。
早春(2~3月頃)にも寒肥として、緩効性固形肥料を少量与えると春にかけてゆっくりと効いていきます。
プランターや鉢植えの場
市販の肥料配合の土を使用すれば肥料を与える必要はありません。
芝桜は肥料をやり過ぎると花付が悪くなるなど、かえって逆効果になります。
病害虫について
芝桜が元気で無い場合、根腐れを起こしている可能性があります。
このような時期には、センチュウという寄生虫のような病気も発生しやすく、より一層注意が必要です。
水はけのチェックと風通しを良くするための除草をまめにすることで、病害虫予防にもなります。
芝桜の増やし方
芝桜の株の増やし方をご紹介しましょう。多年草である芝桜の咲く範囲が広がれば、毎年楽しみも倍増ですよね。
挿し芽と株分けが大切
涼しくなり始める9月下旬~10月中に鉢(ポットなど)に挿し芽をします。
- 茎の先端から10センチほどのところを切り取り、挿し芽します。
- 挿し芽後の2~3週間は吸水力が弱いため、乾燥しないように水やりをしましょう。
- 発芽したら根が鉢全体にまわったサインです。水のやり過ぎは禁物です。
春に植え付けて増やす場合は、前年の秋(9月下旬~10月)に挿し芽をします。冬越しをする際には霜が降りない場所で管理しましょう。秋に植え付けて増やす場合は、同年の4月~5月に挿し芽をします。
このとき気温が暑くなってしまうと根が出にくくなりますから気を付けましょう。
芝桜の風通しが悪くなると多湿や蒸れの原因になり、環境悪化につながります。それを防ぐためにも、株分けして挿し芽をするということは大切作業なのです。
目土(めつち)で株を元気にする方法
広範囲で芝桜を長く育てていると、逆に株元が少なくなりハゲたようになってしまいます。
それを防ぐために『目土』というものを行います。
株の上から茎の下半分が埋まるくらいの土をかけて、元々あった土に混ぜすり合わせ慣らす作業です。芝桜は茎の節から新しい根っこを出します。
地面と茎のすき間に目土をすることで、新根の発育を促進させることと、乾燥から守ることにもなります。
芝桜の刈り込み方について
開花期が終わった後、芝桜はだんだん茶色く枯れたようになり始めます。枯れたわけではありませんが、見た目は美しくありません。
また茎が伸びて株が密になり過ぎると、風通しが悪くなり蒸れの原因を作ってしまいます。
- 根元から茎の長さを3~5センチぐらいに、剪定するように刈り込みをすることで芝桜も枝分かれしやすくなります。
- 湿気の多くなる梅雨時に入る前に、刈り込みをすることで夏越ししやすくもなります。
- 刈り込み後1~2ヶ月ほどで新芽が生え、芝桜全体の草丈も低めで蒸れにくい株に成長します。
広範囲の場合は草刈り機を使う方が楽ですが、芝桜の茎を押さえつけすぎないよう少し浮かせ、撫でるように徐々に刈っていきましょう。
芝桜の育て方まとめ
美しい花を楽しむためには思い切って切りそろえるという作業が大切です。
芝桜を自分の庭で楽しむことが出来たら素敵ですよね。寒さや乾燥にも強いと言われる芝桜ですから、初心者の人にも育てやすいです。
毎年春になると庭で一斉に咲く芝桜を想像しながら、あなたもぜひ芝桜を育ててみませんか?