初夢とはいつ見る夢?縁起のいい一富士二鷹三なすびの意味と内容

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初夢

『雑煮くふてよき初夢を忘れけり』これは正岡子規がよんだ初夢の句の一つです。せっかくお正月にいい初夢をみたはずなのに、お雑煮を食べているうちにどんな夢だったのか忘れてしまった、というなかなかユニークな句ですね。

子規の場合はお正月に初夢をみた、ということは少なくとも覚えていたようですが実際夢をみたかどうかも覚えていない、夢はみたけどはたしてあれは初夢だったのだろうか。そういう疑問をもつ人は私だけではないのではないでしょうか。

お正月になると話題によくでてくる初夢。いったいいつみた夢のことを言うのでしょう。

出典 http://kids.wanpug.com/illust/illust1264.png

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初夢とはいつみる夢のこと?12/31の夜?1/1の夜?

現在では一般的に、元旦1月1日から2日、または2日から3日に見る夢を初夢とされることが多いようです。

もともと初夢が最初に文献にでてきたのは鎌倉時代になります。その時代、立春を新年のはじまりととらえることが多かったことから、初夢は節分から立春の夜に見る夢のことをさしていました。

江戸時代になると今度は初夢に対して3つの説が浮上します。

①大みそかから元旦にみた夢のこと
②元旦から2日にみた夢のこと
③2日から3日にみた夢のこと

その後①の大みそかから元旦にかけての説は、人々が年神様をお迎えする習慣ができ夜眠らなくなってしまったこと、また、②の元旦から2日にかけての説は、書初めや初売りなどの行事が2日から行われることにより薄れていきました。
結局、江戸後期には残った③の『初夢は2日から3日にかけてみた夢のこと』という説が主流となっていきます。

明治時代になると今度は旧暦から新暦に変更したことにより、多くの人が1日夜から2日に見た夢のことを初夢、と認識しはじめます。

そして現在、江戸後期に残った③の説、そして明治時代から続いている説が伝わり、初夢は1日から2日、または2日から3日に見る夢のこと、といわれるようになったのです。

縁起のいい一富士二鷹三なすびの意味とその内容

一富士二鷹三なすびとは、江戸時代に初夢に見ると縁起のいい夢の順番を表したことわざです。
このことわざの起源については文献、地域によりいくつか違った説が存在します。

①徳川家康がの由縁の土地である駿河の国で高かった物の順番だったという説(1、富士山 2、愛鷹山 3、初物のなすの値段)
②徳川家康が、日本一の山である富士山、百鳥の王である鷹、初物のなすを好んでいたという説
③富士を『無事』、鷹を『高い』、なすびを『成す』という掛け言葉であるという説
④富士は『曾我兄弟の仇討ち(富士の裾野で成功しました)』、鷹は『忠臣蔵(主君浅野家の紋所が鷹の羽)』、なすびは『鍵屋の辻の決闘(決闘が行われた伊賀の名産品がなすび)』という説

などがその代表的なものです。
なすびに関しては、なぜなすび?と疑問をもつ人も多いかとおもいますが、初物を食べると寿命がのびる、ということで当時江戸っ子が珍重した初物のひとつが初なすびだったそうですよ。

http://members3.jcom.home.ne.jp/tarosan3/ichihujinitaka2.jpg

一富士二鷹三なすびの続き

『一富士二鷹三なすび』の続きは実は6まで存在します。それが『四扇五煙草六座頭』です。扇、煙草、そして座頭。どのようにしてこの3つの言葉が選ばれたのでしょうか。

①それらの言葉が縁起のよいもの、もしくは何かの象徴であることから選ばれた、という説

『扇』はお祭りやおどりの小道具となり、『煙草』はお酒とともにお祭りや祝い事に欠かせないものでした。両者ともその場の雰囲気を和ませたり盛り上げたりするのには欠かせないいものでした。
座頭というのは江戸時代における視覚障害者の階級の一つのことをいいます。髪の毛を剃った盲人で、中世には琵琶法師の通称となり、近世では琵琶や三味線をひいて歌いながら物語をかたり、あんま、鍼灸などをしてくらしていました。当時は彼らの目が開くのを見るのは幸運とされていました。

②『一富士二鷹三なすび』と『四扇五煙草六座頭』が対応しているという説

富士と扇 どちらとも末広がりの形をしていて、子孫、商売繁栄を表す
鷹と煙草 鷹も煙草の煙も上へ上へと上昇するため、運気上昇を表す
なすびと座頭 どちらも毛がないことから、『怪我ない』とされ、家内安全を表す

このことわざの後半ははあまり知られていませんが、②の説のように前半と後半の言葉がそれぞれ対応している、というのを見るとおもしろいものでセットで覚えておこう、という気になってきます。

夢は私たちの心の奥にひそむ願望があらわれるもの。夢の内容を分析することでその人のその時々の精神状態がわかり、未来への道しるべがわかってくるといいます。
新しい年になったことで、今抱えている問題や悩みの解決策をみつけたい、そういった無意識的な思いが初夢を重んじる習慣を作りあげたのではないでしょうか。
今でこそ一富士二鷹・・・といった夢を見ることはないかもしれませんが、初夢にみたものを分析することで新年をすばらしいものにするきっかけになるかもしれませんね。

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