冬が近付くとあちらこちらで見られるポインセチア。鮮やかな赤色が特徴で、クリスマスシーズンの到来を感じさせますね。
でもポインセチアはそのシーズンだけで楽しむもので、その後は枯れてしまって終わり・・・と思っている人が多いのではないでしょうか?
実は手をかけてあげればちゃんと冬を越すことも出来て長く楽しめますよ。ここではそんなポインセチアの育て方や気を付けることなどをご紹介いたします。
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ポインセチアの育て方について
11月を過ぎると店先でポインセチアを見掛けることが増えてきます。購入する時にぜひ気を付けて欲しいことは、元気な株を選ぶということです。
ポイントとしては葉がピンと張ったもので、下葉もしっかりたくさん付いているものをチョイスしましょう。
それではポインセチアを育てるにあたり、何に気を付ければその後も長く楽しむことができるのでしょうか?順番に解説していきますね。
置き場所と日当たりについて
ポインセチアが売られているのは冬ですが、実は寒さには弱い植物なのです。お店で売られているものは温室育ちのものですから、購入後は室内に置いてあげましょう。
時期としては10月中旬~4月下旬ぐらいまで。屋外の最低気温が15度以上になるまでは室内のよく日が当たる場所へ。日当たりが悪いと下葉が落ちてしまいます。
ただし、昼間日当たりの良い窓際など冬場は夜になると冷え込む場所でもありますので注意が必要です。最低10度以上は保てる場所に置きましょう。
5月上旬~10月上旬は屋外の日当たりの良い場所に出します。ただし夏場は猛暑日が増えていて日差しも強いので葉がやけてしまうことがあります。その場合は、半日陰に置いてあげましょう。
水やりと肥料について
年間を通して乾燥気味に育てます。室内で育てる期間(10月中旬~4月下旬)の水やりは、鉢の土が完全に乾いてからたっぷり与えましょう。葉が黄色くなりポロポロ落ちてしまった経験のある人は、水の与えすぎが原因かもしれませんね。
鉢の土が完全に乾いている状態とは、鉢の受け皿を持ち上げたときに、細かい乾いた土が鉢底から落ちるぐらい乾燥しているぐらいのことです。
屋外で育てる期間(5月~10月上旬)はポインセチアにとって生育期です。日当たりの良い場所に置くので水をどんどん吸いあげます。特に夏場はほぼ毎日しっかりと水をあげましょう。
その時も土が乾燥しているかどうかはチェックしてください。どの時期でも過湿は根腐れの原因となります。
肥料については4月~10月までは月1回化成肥料を置き肥します。11月~1月は液肥を月に3回ほど与えます。2~3月は生育しませんので肥料は必要ありません。
ポインセチアの育て方のポイント 短日処理
冬を越えたポインセチアはかなり葉を落としてしまった状態となります。4月中頃に植え替えと切り戻し剪定をすることで新芽が元気に伸び、秋にはたくさんの葉が付きますよ。
ポインセチアといえば鮮やかな赤い葉が特徴ですね。その部分を正しくは『苞(ほう)』といい、真ん中の小さい実のような部分が花です。

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ポインセチアは短日植物(日照時間が短いと花が咲く植物)なので、日の当たる時間が12時間以下にならなければ花も咲きませんし、苞も赤くなりません。

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そこで必要なのが『短日処理』と呼ばれる作業です。7月頃までに植え替えを終えたらポインセチアに新芽が出始めます。そして9月を過ぎたぐらいから光の調整を始めます。
始めた日から40日間夕方17時~翌朝8時まで、ポインセチアの鉢に段ボール箱などを被せて、いっさいの光を遮断しましょう。そして日中は日によく当てます。この作業を『短日処理』といいます。

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これを1日も欠かさず毎日することが重要です。ポインセチアの育て方としては、1番大変かもしれませんが、1日でも忘れたらうまくいきません。
また40日間という日数はあくまでも目安ですので、葉の色がきれいに色づくまで根気よく作業を続けた方がより美しく完成しますよ。
ポインセチアを冬に枯らさないようにするためには?

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ポインセチアの原産地は1年中温暖なメキシコです。もともと年間を通して最高気温が20度以上あるような環境で育つ植物ですから、寒さには当然弱いです。
ポインセチアにとって日本の寒い冬を枯らさずに越すためには、温度管理と水分調節が大切です。
・温度について
先ほども紹介しましたが、冬場は室内のよく日の当たる暖かい場所に置きましょう。昼と夜との気温差が10度以上あるような環境も好ましくありません。0度前後の温度が保てるような場所がベストです。
けれども暖房には気を付けなければいけません。温風などが直接葉っぱに当たったりすると1日で枯れてしまうこともあります。
・水やりについて
水やりについては乾燥気味が良いとお伝えしましたが、冬場の室内はとても乾燥しています。
そのため葉っぱは乾いてしおれがちでも、土は湿っているような状態ということもあります。このような場合は葉っぱに霧吹きで水をかける葉水がおすすめですよ。
水やりの時間帯は必ず朝、明るくなってからあげるようにしましょう。水温についても冷たすぎると土の中や根っこを冷やしてしまうので気を付けましょう。
ポインセチアの切り戻し剪定について

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無事に冬を越したら4月中旬、もしくはそれ以前でもポインセチアの下葉がほとんど落ちてしまった頃に切り戻し剪定をしましょう。下から2~3節残すぐらい、根元すぎない場所で思い切って切り落とします。
もしこの処理をしなければ、上の方から芽が出てバランスの悪い見た目があまり良くない鉢になってしまいます。
この切り戻し剪定をすることで新芽がどんどん伸びてきます。
ちなみに剪定後の夏場の気温が高すぎると、新芽が出なくなる「芽とび」という症状をひき起こすことがあります。猛暑日の場合は出来るだけ涼しいところで管理しましょう。
ポインセチアの植え替えについて
次に植え替えについてです。ポインセチアは鉢植えが良いので今までよりも一回り大きい鉢を用意し、水はけを良くするための鉢底土、その上に培養土(赤玉土7:腐葉土3の割合)を鉢の半分ぐらいまで入れます。
剪定した株の根鉢を崩さないように古い鉢から取り出し、根っこに付いている古い土を半分ぐらい落とします。それを新しい鉢に植え替えますが、その時は深植えせずに古い土と同じ高さになるように植えましょう。
ポインセチアの注意点
ポインセチアは茎や葉を切り取ったりした時に白い乳液状の樹液が出ます。それが指や手などに付くと皮膚炎を起こすことがあります。
小さいお子さんなど間違って口に入れたりしてしまうと下痢やけいれんなど起こす有毒成分がありますので、必ず洗い流すことと、作業にゴム手袋を着用するなどして気を付けてください。
以上がポインセチアの育て方になります。
ぜひ今年はポインセチアの冬越しにチャレンジして、来年にはひと回り立派になった美しいポインセチアでクリスマスシーズンの彩りにしてみてください。